日本庭園に佇む茶室「真珠亭」は、数寄屋造りに粋な遊び心を掛け合わせた特異な茶室。2013年(平成25年)、宮大工の協力を得て当時の趣をそのままに再現・修復されました。
- 紅いベンガラの壁は京や上方のお茶屋さんに見られたもの。お茶をたしなむ文化と、遊び心を楽しむ文化が融合した茶室で、大正期の財界人をもてなしたと考えられます
- 一方、屋根を伝う雨水が茶室周囲の路地の土を自然と穿ち、長い年月をかけて盛り土を作るという伝統的な茶室建築も随所に。飛び石を踏んで歩くと離れの「松風閣」へ辿り着きます
- 屋根は煉竹と北山杉の細丸太。あえて寄棟の垂木が露出する意匠にして、池の水面に反射する光が、垂木天井に波打つ様子を楽しむために作ったのではないでしょうか